先日、現行モデルの1000ccスーパースポーツのスパークプラグ交換と、シフトチェンジをアシストするパーツの取り付けを行いました。
昨今の1000ccスーパースポーツと言えば、電子制御パーツがてんこ盛りでして
それに伴い整備に要する情報量も一昔前とは段違いに多くなっています。
写真1のサービスマニュアルは、2017年式GSX-R1000Rのものなのですが
2003年式のGSX-R1000のサービスマニュアルの1.6~1.7倍の厚さになっているように感じます。
通常、スパークプラグ交換でマニュアルを使うことは少ないのですが
あちらこちらにセンサーがあり、取り外し方もパッと見では判断が難しい場合があるため、確認しながらの作業です。
スーパースポーツタイプのプラグ交換は、ネイキッドタイプのように燃料タンクを動かせば真上からプラグホールへアクセス出来る構造ではない場合が殆んどで
燃料タンクの次にエアクリーナーボックスを取り外さなければならない事がその殆んどです。
更に、車種によってはエアクリーナーボックスに
ECUやセカンダリインジェクタ、吸気温センサー等がくっついている場合が多々あり
その辺りを処理しないとボックスを取り外すことは出来ません。
ある車種では、ラジエーターのマウントを解除しなければプラグホールへアクセス出来ないなんて車種もあったりします…
写真2は走行約2,000kmのエアクリーナー。
写真では分かりにくいですが、距離の割りに砂や虫が沢山ついています。
ラムエアダクトからの吸気(車体前面からの吸気方式)なので異物は多めですね。
スーパースポーツ等の一部の車種は2000年を過ぎた辺りからでしょうか
イグニッションコイルとプラグキャップとが一体になったダイレクトイグニッションが多く採用されています。
(車の世界では広く普及しています)
些細なことですが、この取り外し方法にも実は色々あり、ちょっとした注意が必要で
やはりマニュアルがあってよかったなと感じました。
ダイレクトイグニッションが外れたら次はお目当てのスパークプラグの脱着なのですが
その前に、必ずプラグホールのエアブローを行います。(サンメカの皆さん行ってますか?)
なぜなら、プラグを抜いた先は燃焼室(エンジン内部)なのです。
これを行わずしてプラグを抜こうものなら…
プラグホールに溜まった砂や水などの異物は高確率でホールインワンとなり
始動時にエンジンにダメージを与える可能性が高いからです。。。 ゾッとします
ちなみにこの時も、微量ですが砂や埃が出てきました。
そして、新品プラグを
プラグレンチ、ユニバーサルジョイント、ちょうどいい長さのエクステンションバーを使い
ネジ山に正しく入っていってるかを感じるため、手で優しく締め込み、最後にトルクレンチで本締めを行います。
何気ない作業ですが、プラグホールは非常にアクセスしにくい場所や角度になっていることが多々あり
万一、斜めに入り込み、ネジ山を潰すような事になれば
シリンダーヘッドが台無しとなってしまい
その修繕または交換費用は莫大な金額となるため
実は毎回とても緊張する作業なのです。
通常、雄ネジや雌ネジがナメた場合
タップやダイスを使えばどちらかが再利用できる場合もありますが
プラグ交換の場合、必ず軟らかいアルミ合金製のシリンダーヘッドが負けてしまいますし
オイルドレーンホールに関しては、車によくある脱着可能なオイルパンでなく
ドレーンホール=クランクケースである場合も多いです。
プラグ交換やエンジンオイル交換と言えば、メンテナンス初級編などとして扱われがちですが
このリスク!
どうですか?
“本当は怖いプラグ交換”
本が書けそうですね。笑
横道に逸れましたが、新品プラグを組み込み
砂だらけのエアクリーナーボックスを清掃し組み付け
エアフィルターも傷付けないように清掃して組み付けます。
そして次は、シフトチェンジをアシストしてくれる
シフトスピンドルホルダー
の取り付けです。
シフト時にミッションの軸がしなるのを抑える効果があり
カチッとしたダイレクトなフィーリングが期待できるパーツです
取り付けに際して特別に気を付ける点はありませんが
説明書きに記載はなかったのですが、摺動部に薄くグリスを塗布し、シャフトに対してセンタリングを行い規定トルクにて締め付けて作業終了です。
次回、
① 何故2,000kmでプラグ交換を行ったのか?
そしてその効果は?
② シフトスピンドルホルダーの効果は?
について書きたいと思います。
それでは☆
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